

Mr.Friendly(営業担当):
博士、お客さんから「業務用佃煮を にあいひとこおり で送って」と言われて、出荷担当の人にそのまま伝えて対応をお願いしたのですが…。
佃煮博士:
ふむ…それは昔から伝わる業界の言い回しじゃ。
「にあい」「ひとこおり」なる言葉は、地域や業界に根付いた“方言”のようなもの。知らぬ者には意味が通じぬが、現場ではごく普通に使われておる。
「ひとこおり」は漢字で書くと「1甲」。
「1甲」は「いち・こおり」または「ひと・こおり」と読む。
「2甲」は「に・こおり」または「ふた・こおり」と読む。
「3甲」以降は素直に数字+「こおり」じゃな。
で、「甲(こおり)」とは荷物の単位で、複数の箱をまとめた梱包形態を指す。水産業や食品業界、物流の現場で長らく用いられてきた言葉じゃ。
具体的には、複数の箱をPPバンドで括り、ひとまとまりにしたものを「1甲(いち・こおり)」と呼ぶ。それが3つあれば「3甲(さん・こおり)」。
古くから荷のまとまりを示す便利な言葉として生き続けておるのじゃ。
Mr.Friendly:
PPバンド…。家電量販店とかで見かける、大きな荷物や段ボールをしばる、幅1センチほどの黄色いプラスチックの帯のことですよね。
佃煮博士:
いや、色はいろいろあるんじゃが…。
コホン。
昔は麻縄で括っておったが、時代とともにPPバンドへと変わった。それでも「甲(こおり)」という呼び方は変わらず残っておるのじゃ。
Mr.Friendly:
あれ、でも複数の箱ということは…。
佃煮博士:
うむ。2箱をまとめても1甲になるし、3箱をまとめても1甲になる。必ずしも「何箱=1甲」と決まっているわけではないんじゃ。
そこで、何箱まとめたかを表すのが「合い数(あいすう)」じゃ。2箱なら「2合(に・あい)」、3箱なら「3合(さん・あい)」と呼ぶ。
「甲(こおり)」は“まとめたもの”を指す単位。ゆえに「2合1甲(に・あい・ひと・こおり)」とは「2箱まとめて1甲にした」という意味になる。
「2合1甲(に・あい・ひと・こおり)で送って!」と言われたら、2箱をPPバンドで括り、ひとまとまりにして送るんじゃ。
Mr.Friendly:
なるほど…。
つまり「合い数(あいすう)」が箱の数で、「甲(こおり)」がまとめ方ってことですね。
博士、ありがとうございます。勉強になりました。
事務員のぼそっと:
これ、最初に教えてもらわないと絶対迷いますよ。
新しい運転手さんに教えました?
